2024.11.16-17 福島204便(視察研修12号)中間貯蔵施設・古殿町 報告

■はじめに

本活動は、ご寄付(ご支援)を活用させていただき、実施しています。
①azbil みつばち倶楽部様のご寄付(
ご支援金)を活用
②端数倶楽部様の
ご寄付(ご支援金)を活用

■視察研修の概要

(01) 活動日:2024年11月16日(土)~17日(日)

(02) 天 気:晴れ

(03) 参加者数:8人(男性6人/女性2人)

(04) スタッフ:渡辺、東、平野、森本

(05) 移動手段:現地集合・解散、現地レンタカー

(06) 活動内容:視察研修

(07) 視察先 :中間貯蔵施設(大熊ルート)、古殿町

(08) 宿泊場所:大網庵(古殿町農業集落多目的集会場施設)

(09) 立寄場所:久ノ浜(車窓)、木戸川鮭簗場、おおくまーと、大堀相馬焼 陶吉郎窯 大堀工房、大平山(車窓)、震災遺構の浪江町立請戸小学校(車窓)、双葉町産業交流センター(昼食)、中間貯蔵施設工事情報センター、双葉駅前、双葉町庁舎、初発神社、中間貯蔵施設(大熊ルート)、道の駅ならは(お風呂)、桃飯房(夕食)、大網庵(宿泊)、ふるさと工房おざわふぁーむ、流鏑馬神社(車窓)、広覚寺(襖絵・歴史)、道の駅ふるどの(買い物)、豊国酒造合資会社 そと庭(アート壁絵)

(10) 特記事項:いわき駅には、JR常磐線で現地集合・解散

(11) ご協力:

・azbil みつばち倶楽部(ご寄付(ご支援金)の内50,000円を視察研修便に活用)

・ふるさと工房おざわふぁーむ(視察お受入れ)

・中間貯蔵施設工事情報センター(視察お受入れ)

シティアクセス株式会社(バス確保などご協力いただきました) 

 

(活動報告:渡辺)

 

■行程

 

《1日目》横浜~いわき駅~大熊町~中間貯蔵施設の視察

          ~06:45 JR品川

06:45~09:18 JR品川~常磐線~JRいわき駅(現地集合)

09:30~12:50 レンタカーで沿線を視察しながら中間貯蔵施設工事情報センターへ向かう

12:50~13:10 中間貯蔵施設工事情報センター(受付、事前レクチャー)

13:10~14:50 中間貯蔵施設(大熊ルート)の視察

14:50~15:20 道の駅ならはへ移動

15:20~16:20 道の駅ならは(お風呂・温泉、買い物)
16:20~17:50 古殿町へ移動
17:50~18:30 宿泊準備

19:00~21:00 桃飯房(夕食)~懇親会・銘々就寝

 

《2日目》古殿町視察~いわき駅~帰浜

          ~06:00 起床・各自軽食・休憩

08:00~08:10 レンタル寝具の返却

08:10~08:50 清掃、点検、出発準備

08:50~09:00 ふるさと工房おざわふぁーむへ移動

09:00~10:00 朝食のお握り・郷土料理をいただきながら、お話、敷地の丘から古殿町を望む

10:00~11:20 広覚寺の襖絵と歴史などをご住職(竹貫義英様から伺う)

11:20~11:55 道の駅ふるどのへ移動・買い物

11:55~12:00 豊国酒造合資会社のそと庭でアート壁絵を鑑賞

12:10~13:20 レンタカー返却

13:20~14:18 解散・自由行動(帰路の電車時間は自由)

14:18~16:51 JRいわき駅~JR品川駅、銘々帰路へ

  

■視察研修の内容

 

○いわき駅~大熊町

いわき駅からレンタカーを利用して399号線、6号線、395線、391浜街道、35号線、288号線を経由した。

・豊間~久ノ浜:東日本大震災のその後

・木戸川鮭簗場:残念ながら鮭の姿は見られず

・おおくまーと:買い物、お手洗い休憩

・大堀相馬焼 陶吉郎窯 大堀工房:13年ぶりに福島県浪江町の大堀に帰還して、作陶を再開

 ⇒https://www.toukichirougama.com/

・大平山:請戸小学校の生徒たちが避難した場所

・震災遺構の浪江町立請戸小学校:震災遺構として残されている

・双葉町産業交流センター:昼食、修学旅行の生徒も芝生の上で昼食をとっていた

・双葉駅前:双葉駅舎、双葉町庁舎、初発神社を車窓から

 

○中間貯蔵施設の視察

 中間貯蔵施設視察の経緯:2022年度に1Fの視察、2023年度に飯舘村の視察を行った。中間貯蔵施設は運搬と貯蔵が概ね済んだ状況ではあるが、大切な土地、やはり知って欲しいがあり、計画した。

・除去土壌等の中間貯蔵は2015年3月から開始されている。東京ドームの11杯分が貯蔵されている(継続)。

・中間貯蔵施設は、東京電力福島第一原子力発電所を囲むように、双葉町・大熊町にまたがる1,600haの広大な敷地に受入施設・分別施設・貯蔵施設があり、除去土壌等が中間貯蔵されている。それらは30年後(2015年3月から30年後)に福島県外で最終処分される。

・数年前は、ベルトコンベアが長く張り巡らされ、ダンプも行きかい物々しい雰囲気であったが、今は、ダンプの行き来も少なくベルトコンベアもなく、静かになっていた。受入・分別する施設なども、建屋は残されているが既に解体されている。

・減容化された除去土壌は、気密性の高い箱に入れ、田んぼであった土地などに一段毎に盛土を行い、3段(5M毎)に収容されている。5か所に分けられている。モニタリングもされている。ご案内の説明は一般的に知っていること、それ以上は環境省の職員ではないので、聞いていません、で終わる。淡泊に感じる。

・降車して埋設個所の3段目(高さ15M)に立つと流石に高い、そして広い。この土地が、双葉町、大熊町の方々の土地・農地であり住まわれていたところである。貯蔵開始から30年後、その土地がどうなっているか。である。

 

○古殿町の視察

 古殿町視察の経緯:第17回講演会(2024年2月)で、葛尾村の下枝浩徳さんと古殿町の小澤さんに神奈川にお越しいただき、お話を頂戴した。お二方とも復興バー銀座店からの繋がりで、葛尾村は、福島78便(視察研修5号・2017年10月)で訪問した。その繋がりで、古殿町の視察を計画した。

「ふるさと工房おざわファーム」

小澤啓子さんの手料理の朝食(お握り、郷土料理)をご主人(小澤昌男さん)も交えて、お話を伺いながらいただいた。お仕事(おざわふぁーむ㈱)されている鎌田拓見さんもご紹介いただいた。朝食後は、敷地の見晴らしの良い丘に登り古殿町を臨んだ。稲刈りの終わった田んぼ、鎌倉岳、紅葉した山々が綺麗でした。林業も盛んで材木屋さんもあります。高輪ゲートウェイ駅舎に「古殿杉」が使われているそうです。

竹貫山「廣覺寺」(襖絵・歴史)

車で、古殿町の流鏑馬神社の前を通り、竹貫山「廣覺寺」に向かう。広覚寺では、ご住職(竹貫義英様)から、襖絵、流鏑馬、鎌倉岳とお姫様、町名の由来など、古殿町の文化や歴史などご説明いただいた。内容が濃かった。

廣覺寺:臨済宗で、竹貫氏の菩提寺、境内に竹貫氏累代の五輪塔などがある。鎌倉の円覚寺との繋がりもある。
襖絵:杉板の襖すべてに絵が描かれている。

流鏑馬:800余年前の鎌倉時代から続く福島県の重要無形民俗文化財にも指定されている「笠懸」と「流鏑馬」

鎌倉岳:鎌倉より嫁いできた姫が故郷恋しさに、鎌倉のある方角の「この 山に登れば鎌倉が見える」と、登った山が鎌倉岳の名の由来だそう。

町名由来:宮本村と竹貫村が合併の時に。総鎮守である古殿八幡神社の所在地である「古殿」の地から取ったそうです。加えて「古殿」という地名は代々領主が隠居し八幡を守護していた際に古記殿を館としていたことから、この地を「古殿」と呼ぶようになったそうです。

古殿町史は、以下をご参照ください。

https://www.town.furudono.fukushima.jp/kanko-dentou-bunka/see/shiseki/furudonochoushi/

豊国酒造さんの「そと庭」

豊国酒造さんの「そと庭」に立ち寄りアート壁画を鑑賞した。双葉町の壁絵と同じく「OVER ALLs」

https://azuma-toyokuni.com/

桃飯房:前日の夜:小澤さんご家族(小澤啓子さん、小澤昌男さん、小澤嘉則さん)も参加いただいて、同町にある中華料理屋さん「桃飯房」で夕食を囲んだ。とっても美味しいお店です。

https://terroage-fukushima.com/restaurant/tohanbo-sone/

大網庵(農業集落多目的集会施設、寝具は生田目布団屋さん):宿泊は「大網庵」をお借りした。畳部屋が4室とお風呂・キッチン・MTGスペース・土間もあり、とても良い施設でした。 

https://www.town.furudono.fukushima.jp/kanko-dentou-bunka/stay/571

 

 ■今後の課題

・13年の月日があります。一年に一度でも視察研修便などを通して、福島への関心を持ち続けて欲しと感じる。

・視察した中間貯蔵施設の除去土壌は、2015年3月から30年後には福島県外で最終処分の約束となっている(政府と福島県の約束、国民の約束(政府=国民))、関心を持ち続けて行く必要がある。

・また、福島県の各地も視察研修で訪れている、今回は古殿町、農業・林業・自然などを活かし地域振興も進められてる、福島県の阿武隈山系に位置し自然豊かである。ふるさと工房おざわふぁーむは暖かいおもてなしがある、ご家族なら民泊もできる。是非、郷土料理を味わいに、歴史を学びに、遊びに行って欲しい。

・今回の視察研修便は、現地集合・解散、現地レンタカー移動で行った。8人~10名で無理のない視察研修を今後も継続していけたらと思う。また、何度か検討してきているが、実施形態時期を調整して現地活動と合わせて、現地でマイクロバスのチャーター、今回のようにレンタカーも活用して検視察研修便を仕立てるのも良いかと感じる。出来ることを長く進めて行きたい。 

■収支

 

福島204便(視察研修12号) 計画 実績 増減 摘要
参加者数 10人以上 8人 ▲2人  
収入の部
新規寄付 61,750 11,750  ▲50,000  
新規寄付(ご支援金/azbil みつばち倶楽部) 50,000 50,000 ±0  
新規寄付(ご支援金/端数倶楽部) - 10,000 +10,000  
前期繰越金 50,000 40,000 △10,000  
(a)収入合計 161,750 111,750  ▲50,000  
支出の部
諸謝金 10,000 10,000 ±0  
バスチャター代 215,600 0 △215,600  
高速代 19,000 780 △18,220  
宿泊費(運転手) 10,000 0 △10,000  
振込み手数料 550 0 △550  
雑費 6,600 5,616 △984  
レンタカー代 - 39,224 +39,224  
レンタカー代割引 - -455 △455  
ガソリン代 - 4,597 +4,597  
大網庵・施設使用料 - 5,250 +5,250  
寝具代 - 16,000 +16,000  
朝食代 - 2,400 +2,400  
参加者実費負担・各自バス会社へ支払い(バス代) -100,000 0 +100,000  
参加者実費負担・各自支払い(寝具代、朝食代) - -18,400 △18,400  
(b)支出合計 161,750 65,012 △96,738  
収支
収支 (a)-(b)  0 46,738 △46,738  

※今回は、いわき駅に現地集合、いわき駅で現地解散、現地でレンタカーの運用をした。

※宿泊先は、古殿町の「大網庵」を利用した。施設使用料5,250円。