≪はじめに≫
2015年度から新たな活動として、現地の視察研修を年2回進めていきます。
ボランティアとして福島に関わる私達の中でも、被災当時の現地や、現地の方の話を知らない方が多いこと、また、現地の状況も4年経過して変わっていく中で、記録する、知る、広く伝えることを目的として、視察・研修を行います。
東日本大震災と原発事故を『風化させない』
地元の現状、今を『正しく知る・伝える』
自分達にできることを『考える』
実施に当たっては、現地の町役場、現地の方々のご理解・ご協力をいただき、進めていきます。
■視察研修の概要
(1)視察先:富岡町
(2)実施日:2015年4月11日(土)
(3)視察場所:
・富岡駅
・夜ノ森公園、桜基準木
・富岡二中・バリケード境
・富岡海岸
・化交流センター学びの森(災害対策本部)
・双葉警察署北隣の「岡内東児童公園」パトカー遺構
・毛萱(仮置場、焼却・破砕減容化施設)
・毛萱スクリーニング場(スクリーニング)
(4)ご協力:富岡町役場
■視察の行程・参加者等
(1)視察行程・時間概略
・11:00 いわき駅出発~6号線を北上
・11:50 楢葉コンビニ(最終お手洗い)
・12:15 富岡町役場下郡山連絡所着(町職員様乗車)~上記場所の視察~
・15:00 富岡町役場下郡山連絡所着(町職員様下車)
・15:20 6号線南下~常磐自動車道広野IC~いわき宿泊先
(2)参加者状況
・視察参加者:20名(女性8名、男性12名)
・宿泊研修参加者:16名(女性7名、男性9名)
(3)当日の天気:雨(前半はあいにくの雨でした)
※写真の掲載については受入先の許可を頂きました。
■視察後の研修
視察後に、宿泊先で、当時のことや今後のことなどのお話を伺う研修を行いました。参加者の報告(参加者全員に書いていただいた研修報告)の一部です。
(1)視察して
夜の森公園周辺の真新しい住宅街の人の気配のない、言いようのない、光景。
いろいろな報道で見聞きしてきたつもりでも、実際にこの目で、この足で、この鼻で体感、そしてとても悲しい、やり切れない思いでいっぱいです。
タイベックススーツを着たとき、初めはとても身体の引き締まる思い、緊張で一杯になった。本当に、目に見えない物質の漂う、非日常の空間にいたのだという現実は今でも信じられない。
文化交流センター"学びの森"=当時の災害対策本部もとても衝撃的だった。生々しい手書きのメモなどと食糧などが散乱し、原発事故で緊急避難した様子がそのままに感じられ、ああ ここがまさしくその時の場所だったんだ、という感じがした。
他にもいろいろと感じたことはあるが、この二か所での体験があまりにも強烈であった。
(2)研修して
研修で伺ったお話はとても生々しく、視察のバス内でお聞きしていたら感じ方もいいは悪いかは別にして、もっともっとすべてに強烈になったのではないかと思う。
お話をしていただいた町役場の方はやはり富岡町のこと、家族、自分、人がとても好きで大事にしているのだと思うし、避難時に対応している町職員の方たちの健康、生活環境等も大事にしていたのは素晴らしかった。このような方が町にいれば将来への希望も持てるのではないかと感じた。
(3)参加して
今回このように企画していただきとても感謝しています。
自分、個人で現実にはなかなか行くことが出来ませんでした。
前にも書きましたが、報道で映像は見ていましたが実際に自分が体験するという事がいかに大切か、これは人間が生きていくうえ、すべてに言えることです。改めて感じました。
(4)富岡町様へ(町長、ご案内・研修いただいた職員様、富岡町の皆様へ)
視察時にご案内して頂いた町役場の職員の方は淡々とお話されていました。後の研修で生々しいお話を聞いて、やはり当時を多く語りたくなくとてもつらいのだと思いました。
ご案内、お話しをして頂いた職員のお二人、本当にお身体を大切に健康に留意されて過ごされるようお祈りします。
■視察研修便参加者アンケート
()内は回収・回答数です。
(1)参加のきっかけ
a(07) 福島でボランティアをしたかった
c(04) 日程や行程がよかったから
d(02) 知人・友人にさそわれて
e(05) その他
・避難されている方々のふるさとの地に立って、色々なことを感じ取り、現状を見つめたかったから。
・現地を自分の目で見たかったから。
・自分の目で富岡町の現状を確認しておきたかったから。
・研修便に参加したのは、今の(富岡町)現状を自分の目で視て、役場の方の話を伺い参加者同士で感じたことを共有し、考えたかったから。
・富岡町の視察に参加したかったから。
・福島を知りたい。福島の本当の姿が知れる機会である。
(2)出発前のkfopからの案内
a(11) ちょうどよかった
c(01) 多すぎた
・どのメールに何が書いてあったか後で探しにくかった。件名にキーワードを入れるといいかも?(例:行程、参加費、配車、など)
(3)今回の活動(視察研修)はいかがでしたか
a(07) 非常に満足
b(06) 満足
(4)活動(視察研修、全般)時間について
a(09) 今回と同じでよい
b(02) 16時位まで、4時間位 ※視察としては丁度良かった。
(5)これからも参加したいですか
a(13) 参加したい
・毎回参加が出来ないけれど、少しでも足を運んで何か伝えたい
(6)活動(視察研修、全般)についてのご感想・ご意見・伝えたいこと
・百聞は一見にしかず
・今回は視察研修に参加させていただき、富岡町、夜ノ森の桜のトンネルの中を歩きました。本来なら満開の桜を見る人達で賑わっていたはずなのに、今は見る人も少なく寂しい、くやしい。富岡の人達の気持ちにまだまだ近づけない、何もできていない自分に気づいた。桜の花はとても綺麗でした。タイベックスを着ないで見に来られる時が早く来るといいのに、と思いました。
・視察研修とても良い時間だったと思います。富岡町のご対応いただきました方、お忙しい中、感謝あらためて。
・初参加でしたが、みなさん慣れたごようすで、リラックスできました。
・学びの森の災害対策本部を見学させていただき、4年1ヶ月前そのままの空間が残っていることにショックでした。これからも「出来る時に、出来る人が、出来ることを」をモットーにボランティアを続けて行きます。地元の地域防災拠点運営委員も続けます。
・長く活動を継続してほしい
・全員が一泊できたとすれば、夕方から食事までの研修だけの時間(食事前)を設けることができたかもしれないと思った(一日動いたあと、食事、そのあと研修といっても集中力が欠けてしまった)。視察研修にまた参加したいので企画してください。(他力本願ですみません)
・南相馬便に乗っているボランティア、これまで福島に興味があったり、係わった方にもっと現状を伝える・知ってもらう機会が必要と思う。
・福島の素晴らしさの発見。
・富岡町のご案内、お話しを伺った職員さんのリーダー、生き方に触れたこと
・この体験を横浜でどおするか?自分への宿題。
(7)kfopの今後の活動(全般)に期待すること
・活動の継続
・地道にこつこつ、できることをできるだけ止めずに続けていって欲しいです。私も日程の合う時に無理しないでできるだけ長くご一緒させていただきたいと思っています。
・現地をよく知ることの大切さがよくわかりました。情報を共有できるよう、情報をお持ちの方、どんどん発信おねがいしたいと思います。
・これからも内容をスポットに絞ったものを企画してください。
・継続して頂きたい。それだけを望みます。
・研修会は現地を見るチャンスで、なかなか今がどうなっているか知るチャンスがない。研修会を広める努力をしてほしい。
・首都圏に避難している方ともkfopとして直接の支援、関わりができるといいと思う。お話を聞く、現地に一緒に行く(受援者向けの案内チラシを作る?)
・ボランティアバスなど、今後も長く続けていただければ幸いです。
・継続。現状視のため。お手伝いしたいから。
・継続
(8)参加者状況
性別:女性(5) 男性(7)
年代:20代(0) 30代(0) 40代(1) 50代(6) 60代(4)
職業:会社員(6) 自営業(1) パート・アルバイト(2) 家事専業(1) 定年(1) その他(1)
被災地ボランティア経験:初めて(0) 2~3回(2) 4~5回(3) 6~9回(0) 10回以上(7)
■最後に
視察・研修は、富岡町様のご協力をいただき、実施することができました。ご多用な中でのご対応、視察への同行と、感謝申し上げます。
また、参加者は、この視察・研修で、現地に行くこと、現地の方にお話しを伺うことにより、より多くのことを見る、知る、聞くこと、感じることが出来たと思います。富岡町職員の方の、当時のご対応、町、住民の皆様を想う強い気持ちも感じたと思います。伝えて頂きたいと思います。ありがとうございました。
なお、視察研修資料、報告書は富岡町様に送らせて頂きました。
・福島48便(視察研修1号)<富岡町様視察研修>資料v20150319.pdf 16p
・視察研修報告「福島48便(視察研修1号)報告.pdf 36p