2022.07.24-25 福島156便(相馬野馬追有志便)報告

■活動の概要

相馬野馬追は、旧相馬藩(中村藩)の領地だった市町村で行われる、相馬中村神社、相馬太田神社、相馬小高神社の三妙見社の祭礼です。旧相馬藩領には、宇多郷(うたごう)、北郷(きたごう)、中ノ郷(なかのごう)、小高郷(おだかごう)、標葉郷(しねはごう)の5つの郷(今で言う行政区)があり、それぞれに騎馬会があります。

2022年は3年ぶりに有観客で通常開催するとの発表を受け、有志便として企画しました。相馬野馬追自体は7月23日からの3日間にわたって開催されましたが、2日目と3日目の行事を観覧する行程としました。

総大将を務める相馬言胤さん(数え年15歳)の初陣、震災後初となる大熊町内での凱旋行列など、見どころの多い年となりました。

(活動報告:岡村、平野、東)

(01)活動日:2022年7月24日(日)-25日(月)

(02)天 気:7/24=晴れ、7/25=晴れ

(03)参加者数:4人(男性1人、女性3人)

(04)運行スタッフ:渡辺

(05)活動スタッフ:渡辺

(06)移動手段:自家用車1台

(07)運転者:渡辺

(08)立寄場所:道の駅なみえ、LINKる大熊

(09)特記事項:浪江町内のビジネスホテルに宿泊

 

■行程

●1日目

6:40集合~首都高 横浜西口~常磐道 友部SA(休憩)~楢葉PA(休憩)~浪江IC~駐車場~シャトルバスで雲雀ヶ原祭場地へ移動(式典・甲冑競馬・神旗争奪戦の観覧)~シャトルバスで駐車場へ移動~道の駅なみえ~15:30大熊町役場(凱旋行列の観覧)~浪江町(宿泊先チェックイン)~18:30南相馬市小高区(軽食/火の祭の観覧)~宿泊先

●2日目

8:00チェックアウト・出発~南相馬市小高区(野馬懸の観覧)~11:30昼食(浦島鮨)~道の駅なみえ~常磐道 浪江IC~守谷SA(休憩)~首都高 横浜西口~解散

 

■行事の詳細と感想

 

《1日目》

 

●御行列

甲冑や太刀などを身にまとった騎馬隊一行が御本陣(ほんじん)である雲雀ヶ原(ひばりがはら)祭場地まで約3kmを行軍。今年度の騎馬武者は354人。

10時過ぎに私たちが祭事場に到着したころ、御行列の先頭集団も御成り参道(おなりさんどう)に入ってきました。観覧席が混み始める前だったので、羊腸ノ坂(ようちょうのさか)の入口近くの席を確保できました。時代劇さながらの口上(こうじょう)で報告する伝令(でんれい)や軍師(ぐんし)の差配に歴史や伝統を感じました。

 

●甲冑競馬

兜を脱いで、白鉢巻を締めた騎馬武者が、祭事場一周強の約1200mを競うレース。今年度は4〜8頭だてで6本行われました。馬のひづめの音と地響き、武者の背中の旗指物(はたさしもの)がバタバタと風にはためく音、砂埃を舞い上げて疾走する姿は迫力があります。レースによってはコーナリングで競り合ったり、疾走途中で落馬する武者がいたり、旗指物が外れて降着となったり。スタートゲートが無いので、そもそも出遅れる者など、ハプニングだらけでハラハラドキドキしました。レースが終了すると先着順に騎馬武者が、褒美をもらいに羊腸ノ坂を駆け上がって行く姿も絵になります。

 

●神旗争奪戦

号砲で打ち上げられた2本の御神旗(赤:太田神社、黄:小高神社、青:中村神社)を奪い合います。御神旗を獲得した騎馬武者は観客の間をぬって羊腸ノ坂を駆け上がります。中には一日で2本以上を手にする強者も現れます。前半の10本目が終わり、総大将が帰られるタイミングでハプニングが発生。副大将の紫手綱の馬に騎乗する軍者に「下りろ!コノヤロー」と烈火のごとく大声で注意する軍師。規律を重んじる「相馬野馬追」をここでも垣間見ることができました。

 

●凱旋行列

標葉郷は現在の浪江町、双葉町、大熊町にあたりますが、大熊町では震災後初めて、町内からの出陣、町役場近くでの凱旋行列が行われました。

凱旋行列では7騎の騎馬武者が町役場から公営住宅までの間を往復し、さらに役場前で凱旋の報告と町長のご挨拶がありました。「12年」という言葉を耳にしてグッっと感じ入るものがありました。

 

●小高・火の祭

昔、お神輿や騎馬行列が雲雀ヶ丘祭場地より帰るころ、住民が沿道に提灯や松明をかざして慰労の意を表したのが始まり。震災で中断後、小高が避難解除された2016年に復活。祝詞奏上、挨拶、小高川沿いに2000灯の篝火に点火され、花火が始まりました。横須賀市の会社が花火のサポートをしていると聞こえたのですが、会社名がわからなかったです。ゆったりとした雰囲気の中で、久しぶりの花火でした。

若い人もたくさん出ていましたし、帰路につく車の列にも驚きましたが、賑わっている様子はいいなぁと思いました。

花火の前に、小高ストア前に出店している露店で夕飯がわりに焼きそば、たこ焼き、唐揚げとビール。ハイカロリーで童心に帰るメニューです。

 

《2日目》

 

●野馬懸

野馬懸(のまかけ)は「上げ野馬の神事」とも呼ばれ、絵馬を奉納する風習の起源となった歴史ある神事です。まず騎馬武者たちが小高神社の境内に裸馬を追い込み、そのあと、白装束をまといお祓いを受けた御小人(おこびと)と呼ばれる人たちが素手で白馬を捕らえて神に奉納します。

坂を駆け上がってきた馬が追い込まれるスペースは竹垣で仕切られてはいますが、かなり近い距離で神事を見ることができます。追い込まれる馬は現在は3頭ですが、解説のアナウンスによれば、原発事故が起こる前は頭数も多く、武者が馬を追う距離も長かったのだそうです。馬は興奮して駆け回るため、3頭でも大変そうでしたが、もっと多かったのだとしたらすごい迫力だったのではないでしょうか。

平日にもかからわず早い時間から駐車場がどんどん埋まっていき、私たちが境内に着くころには、大きなカメラを手にしてシャッターチャンスを狙う方たちが、ここぞという位置にたくさん陣取っていらっしゃいました。 

■収支

(単位:円)

福島156便(相馬野馬追) 計画 実績 増減 摘要
参加者数 6人 4人 ▲2人  
収入の部
全額参加者自費 57,000 53,545 △3,455  
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  - - -  
(a)収入合計 57,000 53,545 △3,455  
支出の部
レンタカー代金 35,000 0 0 ※1
高速道路料金 11,000 13,770 2,770 ※3
燃料代 11,000 9,375 △1,625 ※3
宿泊代 - 30,400 0 ※4
抗原検査キット - - - ※2
雑費 - - -  
(b)支出合計 57,000 53,545 △3,455  

※1:レンタカーは使用せず、自家用車相乗りで実施
※2:参加のPCR検査、抗原訂正検査費用は参加者実費
※3:移動費(高速代、燃料代)は参加者で按分した
※4:宿泊費、食事代等は参加者が各自支払い