2014.05.24 福島37便(南相馬12号)報告


《活動の写真について》

被災された方々の心情に配慮し、参加者による活動中の写真撮影は原則として禁止としています。

ただしホームページでの活動報告に限り、現地の状況を知っていただき、関心を持ち続けていただくことを目的として、ご依頼主のご了解のもとで撮影、掲載させていただいています。


■活動の概要 

(1)活動日 :2014年5月24日(土)
(2)天 気 :快晴、気温22℃
(3)スタッフ:

   バススタッフ:大和田、長崎

   活動スタッフ:大和田、吉本

   全体フォロー:戸沢

(4)参加者数:19人(1名都合で欠席)

   (男性:13名、女性:6名、内南相馬が初めて方:1名)
(5)バスNO:207、レンタカー:2台
(6)活動内容:南相馬市小高区、屋内片付け

  (2階から1階へ移動他、家財の片付け、整理、清掃)

 

■活動の状況

 

・個人参加の5名(個人=2,グループ=3)の方々と作業。

・ご依頼主様は小高町内で2代にわたり靴とバッグのお店を営み、現在は水戸に避難されているとの事。

・当日は約2時間半を掛けて立ち合いに来られました。

・片付け、廃棄するものと残すもの、の選別はすでにされており、2階から1階へ下すことがメインとなります。

・みんなで手分けし都度ご依頼主様に確認し作業を進めます。

・額縁から外れた写真の中からお子様たちの小さいころの写真が見つかりました。残されるという事で安心しました。

 

■活動の詳細

 

 今回の活動でお伺いしたのは、小高駅前の商店街にある靴屋さん。店舗(1階)と居住スペース(2階)の片付けというご依頼でした。当初、廃棄するものは外の駐車場にまとめる予定でしたが、市による収集がいつになるか分からないので、1階の店舗スペースに運んでまとめることになりました(それだけ店内が広いということでもあります)。

ご依頼主は現在は水戸市の借り上げ住宅にお住まいだそうですが、すでに何度か片付けに戻ってこられているようで、途中まで自力で片付けておられた状態、残しておく品物ひとつひとつに「残す」というメモ書きが貼ってありました。

 

 午前中はまず、店舗スペースを整理して荷物を運び込めるようにするのと並行して、2階の荷物を袋にまとめる作業も始めました。ほどなくして1階にスペースが空いたので、かさばる家具や扱いにくいガラス板なども次々に運び出し、午前中で2階はほぼ片付きました。

天気がよかったので、お昼はそれぞれ商店街の舗道などに陣取って食べました。小高のメインストリートということもあるのか、よく車が通り、時折、地元の方々らしき人の姿も遠目に見かけました。巡回中のパトカーも通りました。ご依頼主の方もご一緒に舗道に腰掛けて食事され、お店の名前の由来や、ご近所の方々の現在の避難先を知らないことなど、いろいろ聞かせていただきました。とても穏やかな話しぶりでしたが、ここまで、そしてこれからのご苦労は察するに余りあります。

 

 午後からは店舗の奥の倉庫スペースと、裏口の近辺の物置スペースを片付けました。倉庫スペースには、革靴を磨くためのたくさんのブラシ類、靴底を修理するための鋲や置き台などがあり、町の靴屋さんとして頼りにされていたご様子が窺えました

予定していた作業がほぼ終了し、最後にご依頼主様からご挨拶と「自分ではとても片付けられないところを助かりました」と涙ながらの御礼のお言葉を頂きました。

 

参加者の皆様より

 

・屋内の方付け(=物を捨てる)をするのはニーズからすると仕方ないのかもしれないが空しさ、やるせなさを感じる。これで一歩でも前に踏み出すことが出来るのであれば嬉しいと思う。

・屋内の方付け(=物を捨てる)で店の中が空っぽになってしまった、捨てざるを得ないことにやるせなさを感じる。

・南相馬は初めて、実際に人が誰も通らない町を見てショックだった、でも依頼主様の笑顔が見れて良かった。

・ビフォーアフターがはっきりした作業だった、原町駅前の商店街には"ツバメ"が多かったが小高の町中には

 少なかった、やはり人が住んでいないからなのか?

・依頼主様の言葉、涙をどう感じるか、いつもながらに空しさを感じる。

 

参加者の方が画を書いて下さいましたので紹介します。

説明は、書いて下さいました方の言葉です。

・左の画は、作業中の様子。

・右の画は、「お店の歴史」、その右下の絵は商品棚の上においてあった写真で、お祭りの日、お店の前で、愛犬とお嬢さん?と息子さん?の写っている写真でした。こころに残ったので、描いてみました。(関根さん)


■参加者アンケートより

 

(1)今回の活動について

 

①参加して良かった。

・活動時間はもそう少し長く出来ないのでしょうか。

・他では作業場所まで大型バスでの送迎が多い。

・参加費はもう少し、高くても良い。

・買い物時間と夕食時間を短縮して、15時頃まで活動。

・入浴後、横浜に22時~23時に帰着と出来ないでしょうか。

(★ans:お気持ちありがとうございます。少しでも長い時間のお手伝いをさせて頂きたいですね。現状は【Q&A】参加前Q2-4,5でご理解頂けたら幸いです。)

②屋内整理は初めて。

・良い経験だった。

③募集案内について。

・前回活動の様子のURLを付けると初参加者もイメージしやすい。

(★ans:ありがとうございます。活動報告が間に合いましたら次回よりそうさせて頂きたいと思います。皆様の感想など是非お寄せください。早く掲載出来ると思います。)

④kfopと現地参加の5人。

・計24人の一致協力して家主さんの希望に沿った片付けが出来たと思う。

家主さんの最後の挨拶と涙を肝に銘じて活動したい

⑤家主の方の思い出の品々。

・処分して行く作業の中で、家主の方の寂しそうな笑顔が、なんとも言えない思いにさせられました。

⑥道具類の出し入れ、撤退。

・スタッフがもう少しリードしてほしい。

(★ans:ご助言ありがとうございます。スタッフも経験を重ね、活動が円滑に出来るようにして行きたいと思います。)

⑦依頼主の方に喜んでもらって良かった。

⑧kfopメンバー以外の現地参加の5人の方。

・交流で来て良かった。

・依頼主さんが最後のご挨拶で、目を潤ませていたのが印象的でした。

・やって良かったという充実感が得られました。

⑨依頼者の方。

・まだ戻るか分からないとのことでありますが

・必要とされているのは確かであるので、今後とも続けたいと思います。

 

(2)今後の活動に期待すること

 

①福島の復興。

・若い世代が故郷に戻ることが不可欠であると思う。

・一軒一軒の片づけを手伝うことで若い世代に少しでも元気づけれたらと思う。

②福島以外でも活動があれば参加したい。

③参加費はもう少し高くても良い。

④末永く活動して行き。

人でも多くの人が福島に行き、現地を知って欲しいと思います。

⑤ニーズがある限り、続けてもらいたい。

⑥今後、更に多くの方に参加して頂ければと思います

・数値、レンタカー、渋滞時のフォロー等参考になる点がありました。

(★ans:これは、参加者も知り、理解し活動する。バス安全運行の確保。自己完結、頼れるものは仲間(私達で出来る事)。)

 

(3)kfop事業提案

 

①事業名:kfopキッズ

・目的:子供たちの遊びと学びの提供

・具体的内容:福島から避難された子供達、神奈川の子供達と物図作り、寄付に繋げ、東北へ寄付する。

(★ans:活動の要旨でもありますね。現在は【Q&A】参加前Q1-3とし、県内支援は県内の方で、私達は現地に行く。を今としています。)

②事業名:活動実施とその結果の広報事業

・目的:神奈川県に避難している方々への広報活動の強化へのHP活用

・具体的内容:片付け作業を手伝っていることの事実と事業とが、我々の周辺にも、避難している方々にも、色々な形で解ってもらえるようにしたい。

(★ans:【Q&A】参加前Q1-3の③がまさにそれですね。機会を作り発信して行きたいと思います。皆様の声が力になります。)

③事業名:このまま地道にお手伝い

・目的:できればいいと思う。

(★ans:ありがとうございます。) 

 

振り返り

 

 今回は街中での作業でしたが、休憩時間に屋外に出ると、ボランティア以外はほぼ人々の動きがない状況でした。見かけた動いてる車はパトカーのみでした。近くにあった床屋さんは何とか営業したいと思い店を開けていると依頼主の方がおっしゃっていました。ただお客様はいませんでした。あらためて地元に戻りたいという強い思いを感じました。

ご依頼主の方は朝早く起きて水戸から来られたとのことでした。作業をずっと立ったまま見ていることがつらそうでしたので座って休んでいることを勧めたのですが、様々な物を確認するため慌ただしくされていました。自分の家族の思い出を処分せざるをえない気持ちが伝わりなんとも言えないものでした。

 

初の活動スタッフということでしたが、先輩方に助けていただき終えることができました。ありがとうございました。ただ、もう少し遠慮なく指示等をするべきだったのかもしれません。次回への反省とします。

ありがとうございました。

スタッフ

感じたこと

 

・天理ビル前にツアーバス、待ち合わせの人が全然いません、こんなの初めてです。ベテランぞろいのためかみなさんピッタリと集合時間にまとまりました。

・家財の方付けでいつも思うのは本当に捨ててしまって良いのですか?と思い、悲しくなることです。

・最後の作業終了報告とご挨拶の時、依頼主様の言葉と涙に参加者一同福島への思いを新たにしました。

・今回は帰り道で初めて帰浜時間を心配する事態になりました。シティーアクセスさんのドライバーさんの状況確認、推測、判断により参加者みなさんの帰宅に大きな支障なく終えられたことに感謝します。

 

『今まだ、ご年配の家主さんが、遠方の避難先から来られ、お一人で片付けをされている現実があることを知って欲しい。』 

スタッフ