2013.03.23 福島12便(花に願いを1号)報告

福島復興プロジェクトチーム「花に願いを」とは、東京電力福島第一原子力発電所の事故から2か月後に、福島市にある曹洞宗 松柏山 常円寺ご住職の阿部光裕さんが立ち上げたプロジェクトです。活動の経緯については、曹洞宗の公式サイト内にある活動紹介をご覧ください。

2013年3月23日、kfopさんのボラバスで常円寺さんの福島復興プロジェクト「花に願いを」の除染ボランティアに参加してきました。

 

行政による住居などの除染は進められていますが、身近な通学路など道路上に点在するホットスポットまでの細かな除染は手が及ばない状況だそう。

「花に願いを」では通学路などの除染作業と作業で出た放射性物質の仮置き場をお寺の敷地内に作り保管したり、草花を利用して土壌浄化を進める活動をしているそうです。

 

今回は小学校や保育園の通学路、民家の前の普通の一般道路にある事前に計測してあるホットスポットを地図上でチェックし、一人一台計測器を持ちピンポイントで堆積物を除去する作業です。

道路の歩道のコンクリートの継ぎ目や電柱、標識の周り、段差のはじなどに堆積している土や雑草、苔に計測器をあてると7〜9μsv/hと高い数値がでます(昨日の作業で一番高い場所では21μsv)計測器は3μsv以上だと警告音が鳴るので1μsv以下になるように小さいスコップやはけ、金属ブラシ、マイナスドライバーなどで土を掻き出します。

 

でもあまり廃棄物を増やしたくないので取りすぎないように丁寧にかつ的確に除去します。線源を除去しても風雨などにより再び堆積はするけれど、

・通学路などは定期的に地道な除染作業をすることが重要であること

・目に見えなくても線源を取り除くことで確実に数値が下がること

・このような除染作業は特別に難しい技術のいる作業ではないのでボランティア向きであること(自ら志願して来るボランティアなので作業に手を抜くということはありえない)

などがわかりました。

 

「花に願いを」では実際に計測器を携行しその数値も知らせてもらえますので累積放射線量の数値も自らチェックもできます。

昨日の除染作業で私は2μsvでした

 

一般公衆の線量限度(年間)は1mSv(=1000μSv)ですので、※

・胃のX線集団検診(1回)0.6mSv(=600μSv)、※

・胸部レントゲンで0.05mSv(=50μSv) ※

・昨日の作業では0.002mSv(=2μSv)

※文部科学省HP「日常生活と放射線」より

 

単純に換算しての数値であり、何が本当の情報であり嘘なのか本当に正しいかどうかは確証はありません。

でもあくまでも私の個人的な意見ですが年に数回程度のこのような除染作業ならば、私自身は問題なく行えると思いました。

 

(無論、無用の追加被曝はないことが一番良い。by代表補記)

 

少しでも子供達が安心して通える通学路になりますように

以前までの平穏な暮らしのように普通の生活が普通におくれるように

と願いながら作業させていただきました。

 

作業後に常円寺さんの仮置き場を見させていただきました。仮置き場にはドラム缶の除染太郎に汚染土を保管し封じ込めているのでフタのすぐそばで計測しても5μsvほどでした。近隣の住民の方々に理解をしてもらった上で自らの土地を提供したご住職、本当に頭が下がります。

丁寧に作業
丁寧に作業
仮置き場
仮置き場

除染作業が進まない理由の一つは、市の仮置き場が見つからないので、一般住宅地の除染作業では民家の敷地内に穴を掘り埋めて一時保管しているそうです

自分の自宅の庭に廃棄物を保管していること

通学路にホットスポットがあること

自分の住む住宅地に仮置き場を設置されようとすること

、、、、想像してみてください

日本全国に原発があります

決して他人事ではありません。

 

地方にだけリスクを負わせるのも

福島にだけこの苦しみを負わせるのも間違っていると思います。

速やかに除染を進めるためにも仮置き場や中間貯蔵施設、最終処分場などの問題を解決することがまずは先決だと思います。

 

短い時間でしたが地元の方々にお話を聞き、除染の現状や今の問題点など現地の実状の一端を知ることができました。

 

南相馬にも5回ほど通っていますが県内でも抱える問題は様々であることや自分自身の放射性物質への認識も新たにし、また深く考えて勉強しながら行動し続けていかねばならないと思いました。

 

常円寺さんや地元の皆さんやkfopの皆さんとこれからも微力ながらボランティアをさせていただきたいです。

kfopではボラバスがどんどん減るなかでも継続してバスを出す予定だそうです。私たちいちボランティアにとってボラバスは、個人的に高速バスで移動をするよりも費用もかからず、かつボランティア作業に集中できるので継続されること本当にありがたいです。kfopの皆さん、ご一緒させていただいた皆さん、お世話になりありがとうございました。

 

(記:参加者 麗子さん)

市街を望む
市街を望む
お春地蔵
お春地蔵

(追記)帰路車中での振り返り・アンケートなど

 

1.振り返り

 

・地道な作業。空間と直置きの違い。大量に除去すると廃棄土が膨れる。確実に成果は出る。数字ボラ。なかなか下がらない所もあった。まさにボラが有効な作業。中ボラも全部お手伝いが終わらなかった。などなどの話し。

 

考える一つのきっかけになって頂けたのではと思います。

 

2.活動の課題

 

・如何にしたら長くお手伝いが出来るか。

→昼食時間・移動時間を少なくする(否:作業の前提事項があること説明)。

→帰路のお風呂を無くす(夏場は辛い)、時間を短縮する(30分削減?)

→福島のお土産を買う大切な時間は削りたくない。

→帰路の夕食の時間を短縮する、飯舘村のお母さん達の弁当にする(25分削減?)

→17時過ぎに高速に入ると割引が聞くが早く入場すると・・・。

 

・如何にしたら多くの方とお手伝い出来る。

→大型バス、朝帰る、一泊。(バス代、無理なく長く、他の方への影響)

→現地の方の受入準備・体制に無理な押しかけとなることは良くない。

など、継続の中でさらにどうしたら、の色々知恵を頂きました。

 

(追記:代表なべ)