2012.11.23 福島8便(南相馬3号)報告


《活動の写真について》

被災された方々の心情に配慮し、参加者による活動中の写真撮影は原則として禁止としています。

ただしホームページでの活動報告に限り、現地の状況を知っていただき、関心を持ち続けていただくことを目的として、ご依頼主のご了解のもとで撮影、掲載させていただいています。


先週末、kfopさんの福島の南相馬ボラに参加してきました。活動の受け入れ先は南相馬市生活復興ボランティアセンターです。雨予報で心配でしたが、なんとか雨が降らずに活動できました。

 

福島第一原発から20キロ圏内にあり旧警戒地域である小高区での作業。地域の方々の心情に配慮して未だ写真撮影はできません。今回の作業は家屋内からの荷物運び。みんなで2階から重い段ボール箱を約300箱や家財道具をリレーで運び出しました。かなりの力仕事だったので腕や腰がすぐ筋肉痛になりました。

 

作業の合間に見たのは運行停止中のJR小高駅前周辺。人影のない駅前はとても寂しく放置された自転車、草が伸び放題の線路、何度も巡回警備をするパトカーの姿。家主さんから聞いたお話だと、この周辺でも、残された電化製品や家財道具目当てで家が荒らされることがあるとのこと。

 

海岸付近は民家に津波土砂が堆積し、凄まじい津波の破壊力で壊された民家が震災後そのままの状態。田んぼには潰れた乗用車、シャベルカー、コンバイン、農業用サイロ、タンクなどが所々に取り残されたまま。上下水道はまだ復旧しておらず、未だ小高区付近は去年の6月頃の石巻のような状態です。震災後1年8ヶ月も過ぎたのにあまりにも悲しすぎる風景のままです。

 

南相馬市を離れ、帰りのボラバスの車窓から見た飯館村は燃えるような鮮やかな紅葉が綺麗でした。しかしそののどかな山村風景のなかに、ひときわ目立つ白い防護服を着た何人もの除染作業員の姿。前回も前々回も飯館村で人を見たことがなかったので驚きましたが、のどかな山村の田んぼに大人数の防護服の作業員…。強い違和感を抱き、まだ線量の高いであろうこの地域に残る、目に見えない放射線の怖さを実感しました。

kfopさんの活動ではスタッフの方々のお力添えのもと安全対策がしっかりしており、今回も何の不安も感じることなく作業をさせていただきました。ボラバスが減ってきているなかで継続してバスを出し続けてくださること本当に頭が下がります。今回もお世話になりありがとうございました。

 

「続ける、伝える、忘れない」

ボラ仲間の言葉に初心を思い出しました。震災から1年8ヶ月。メディアでも被災地の話題がどんどん少なくなってきていますが、現地の方々はボランティアの姿を見るだけで心強く思ってもらえるそうです。これからも微力ながら故郷東北に通い続けていきたいと思います。

 

記:麗子さん(参加者) 

 


今回は南相馬でのハード系の活動でしたが、こうした力仕事だけが「福島応援」ではありません。浜通り、中通り、会津地方、それぞれで見える、見えない現実があります。行ってみて、見てみて、聞いてみて、それぞれに応援が必要なこと、できることを考え、できることを続けていきましょう。(kfopスタッフより)